れれれざうるす

霧の中の風景のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
3.8
88年のギリシャ映画。
12歳の少女と5歳の少年がまだ見ぬ父に会いに、お金も持たずにドイツまで向かうロードムービー。

とても残酷な話なのに監督は“奇跡の物語”だと言う。そう捉えるとそう観れなくはないが、個人的にはもう少しどうにかならなかったの?と唖然。しばらく動けなくなった。
長回しのカットがとても印象的な作品だったけどそれが逆に絶望に突き落としてくれるあのシーン…。辛すぎ。心エグられました。
印象深いシーンがたくさんある映画でした。雪が降ると大人達が喜び外に飛び出すシーン、楽しそうに踊る大人を背に死にかけの牛に大泣きするシーン。この2人は全くと言っていいほど感情を露わにしないんですよね。
途中で会う青年が唯一の救いだけど少女の気持ちが変化した矢先に自分との違いを見せつけられてあの結果に…。自分達でもわかっていたのかもしれない。
ラストシーンは悲しいけど捉え方によってはやはり“奇跡”なのかもしれませんね。

あ、男の子がぷくぷくほっぺで可愛かった。