ryodan

アメリのryodanのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
4.3
2017-01-04

J・P・ジュネ監督作。
この監督さんは、おとぎ話のような話と絵本のような画作りが得意なんですよね。今作も本領発揮で、パリの街並みをジュネ色に塗り替えてました。一秒一秒にまで演出されているような感覚で詰め込まれているので、途中から結構お腹イッパイになりました。凝りに凝った映像と話。休まらないこれ見よがしの展開が、アメリの妄想とマッチして可笑しい。イタズラもアメリの世界なら納得がいくというか。どうも異形というか、異というものに執着があるのか、身体的にも精神的にも変わった連中ばかり。その作品作りを貫いているようですね。そこが彼の作品の魅力でもあるのですが。決してマイノリティに向けられている感じではないです。見世物小屋までの赤裸々さもないんですよ。それで金をとるあざとさもない。絶妙な匙加減。この人、映画監督以外にはなれなかったでしょうね。映画の世界って、そんな人ばっかか。劇中、アメリが人の部屋に侵入して、ゴム手袋を着けるシーン。あれ「恋する惑星」のまんまでしたね。オタク度も高い作品でした。
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