荒野の狼

チェーン 連鎖呪殺の荒野の狼のレビュー・感想・評価

チェーン 連鎖呪殺(2005年製作の映画)
4.0
2005年の沢井美優主演の71分の映画(ジャケットでは2006年劇場公開作品となっているものあり)。2003-2004年のテレビ「美少女戦士セーラームーン」の主演した沢井だが、本作は現在のところ唯一の映画での主演となる。高校の学園もので沢井を中心とする4人の女子高生がチェーンメールにまつわる殺人事件に巻き込まれる。
沢井の役どころはちょと不真面目な遊んでいる高校生で、長い黒髪が美しくセーラー服と私服で登場、ジャケットは血まみれの沢井の顔に携帯電話が配され気色悪いが、作品中ではこのようなシーンはないので、ファンにはお勧め。
残酷シーンも低予算のためか、現実味はほとんどなく、血も赤ペンキのようであり、首無し死体もマネキンそのものという出来であるので、ホラーは苦手という人でも無理なく見ることができる。唯一不気味なシーンは、精神を病んだ少女が、ベッドの中から携帯電話を握った腕だけを突き出し、メールを打ち続けるというシーン。
本作では山本浩司が沢井の肉体目当ての高校教師として登場。チェーンメールの出所を突き止めたり、施錠してあるドアを難なく開けたりと特殊能力を発揮するあたりが楽しいが、活躍はここまでで惜しい。
ラストの犯人の意外性は買えるが、その後も二転三転し、過去の沢井らがいじめに関連していたことで一家惨殺にいたった事件を含め、いくつか張られていた伏線が結末に反映されないなど、脚本の力不足はあきらか。
せっかく学園ものなので、沢井を含めた仲良し4人組がセーラームーンばりの美少女戦士に変身して、チェーンメールの犯人と対決するくらいのハチャメチャな展開にしてしまえば特撮ファンも納得の隠れたB級名画になったかもしれない。
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