Baad

恋のBaadのレビュー・感想・評価

(1971年製作の映画)
4.3
70年代前半は、イギリス映画がとりわけ素晴らしかった時代だったような記憶がある。当時評判だったらしいこの作品をつい一年ほど前に見たが、映像のすばらしさは予想以上。

コスチュームプレイなのにシルエットがタイトで今見るとどうも生地をケチっているように見えてしまうのもこの時代のイギリス映画ならでは、という感じがして、そのへんもちょっと懐かしかった。

脚本がハロルド・ピンターで、『フランス軍中尉の女』等と一緒だか、時代のせいか、たまたまこの映画が傑作だったからなのか、こちらの方がずっと切り込みが鋭い感じがする。

まだまだ堅固だった階級社会と、時代の若さ、物語の中での青年たちや少年の若さ、脚本家のピンターの若さ等が上手くぶつかり合って、ちょっといびつにねじ曲がってはいるが、残酷かつ美しい見事な青春映画に仕上がっていると思う。

(2007/4/23記)
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