KANA

フェリスはある朝突然にのKANAのレビュー・感想・評価

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
3.8

Netflixで気軽に観れるものはないかとつまみ食い気分でチョイス。
結構有名なのに1度も観たことなかった。

高校生フェリスが学校をサボって1日エンジョイしまくる。
…以上!

こう聞くとしょうもないって思いがちだけど、観てるうちにこの些細なフェリスワールドにハマっていくから不思議。
はなからリアリティーは追求してないらしく、カメラ目線で視聴者に話しかけたり、両親が親バカ過ぎたり、都合よく甘々なチープ感。
まぁ、その闇の無さが80sなのかな?

フェリスってBTTFのマーティと被るなぁ。
機転が効き何でも容量よくこなして運動神経もよくてモテる。
そしてひ弱な友人キャメロンはマーティの(過去の)お父さん。
ちゃっかり可愛い彼女もいてリア充だし、対峙する校長先生との構図もBTTFと同じ。
マシュー・ブロデリックよりマイケル・J・フォックスのほうがずっと好きだけど。

校長先生、絶対見たことある!と思って調べたら『アマデウス』に出てくるヨーゼフ2世役の人だった笑
この権威の塊みたいな堅物校長のマヌケなやられっぷりが漫画みたいなコミカルさ。
気の毒すぎるラストのスクールバスシーンは、一周回って可愛く見えた笑

フェリスのおかげでちょっとしたシカゴ観光の気分も味わえる。
ウィリス・タワーからの展望
カブスの本拠地リグレー・フィールドでの野球観戦
シカゴ美術館でアート鑑賞
ディアボーン・ストリートを行くジャーマン・パレード

このパレードに飛び入り参加したフェリスが何万人もの前でノリノリに弾けるビートルズの『Twist And Shout』のハイライトシーンは
「人生は短いんだから、今をとことん楽しむことが大事!」
っていう本作のテーマをズバリ象徴してる♪

お父さんと何回もニアミスするところも笑える。

突然のチャーリー・シーン登場にはびっくり!(しかもほんのちょい役w)

傷ひとつない真っ赤なフェラーリが、あちゃ〜。。(本人ああは言うもののその後のキャメロンがとっても気になる)

脚本を担当した『ホーム・アローン』といい、ジョン・ヒューズ監督ってシカゴに愛着あるのかなぁ。

軽いし浅いし子供じみてるともいえるんだけど、同時に自由を満喫しまくるフェリスに刺激され、羨ましく思う自分がいるのも確か。
前述の『Twist And Shout』の他、その日受けるはずだったテストの内容「ヨーロッパの社会主義」について、
「ヨーロッパ人が社会主義でもファシストでも、僕にクルマがないという事実に変わりはない」というセリフにも彼の自由主義精神が詰まってる気がした。
すごく解放的でポジティブな気持ちになれて好きな作品だった。
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