KANA

ダーティハリーのKANAのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
3.8

親がよく観てた本作(シリーズ?)、私もようやくその気になり初鑑賞。

マカロニウエスタンのスターとしてハリウッドに戻ったイーストウッドの新たなイメージを決定づけたビッグヒット。

ルールに囚われず、ただ凶悪犯への憎悪だけで行動するハリー・キャラハン刑事を演じるイーストウッド。
銃は持ったまま、
ポンチョにカウボーイハット+馬が
ツイードジャケットにサングラス+アメ車へ。
西部劇の流れ者がそのまま現代の刑事に置き換わった感じで、ハードボイルド且つナルシスト感漂うカッコよさはブレてない。
ホットドッグをモグモグしながらマグナムをぶっ放す序盤シーンのキュートさったら。
銃口を突きつけて挑発するところはキメっキメ。
如何なる時も声を張らない、落ち着き払った話し方も相変わらず素敵。

連続殺人鬼スコルピオ(アンドリュー・ロビンソン)のイカれた気持ち悪さも作品を引き立ててる。
大金を運ばせる際の電話で翻弄するあの態度、憎々しい〜!
バスジャックシーンの何を仕出かすかわからないサイコっぷり、ハラハラした。

サンフランシスコで坂道だからという以上に、垂直にも見上げたり見下ろしたりするショットが多い印象。
夜、スタジアムの中から不気味なサウンドと共に揺れながらズームアウトしていくカメラワークも、時代感がありつつ洒落てる。

逮捕してめでたしめでたしではない展開は、あくまでも人権を守る法の盲点というか、本末転倒さについて考えさせられる….そこは現代の社会派っぽさも。
でも、"Dirty Harry"が黙って引き下がるわけがない!
…で、ラストの乾きがなんともドン・シーゲル。

キャラハンのキャラはもちろん、大物俳優たちが断ったダーティな役を引き受けたイーストウッドの対応そのものに男気を感じる。


p.s. 続編たち、平均スコア低いからモチベ下がるなぁ…
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