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捜査官Xのblacknessfallのレビュー・感想・評価

捜査官X(2011年製作の映画)
3.8
20世紀初頭、中国の田舎で血みどろの過去を隠して、嫁さんと子供と平穏な日々を送っていたドニーさん。そんなある日行き掛り上、悪党二人を退治することになる。
その見事すぎる殺傷能力から事件の捜査をする金城武に指名手配中の凶悪犯だと疑われ、その過去が暴かれることに。

極道だった過去が暴かれて平穏だった日常に亀裂が入ってくるこの展開。
ヒストリー・オブ・バイオレンスとまったく同じだよ。

このドニーさん版ヒストリー・オブ・バイオレンス、話はミステリーをメインにどっしり据えてドニーさんと過去と現在でドニーさんに関わりのある人のドラマを画きつつ、捜査官の金城武との刑事コロンボ的な駆引きが主軸となって進む。
かなり王道のミステリーと言えなくもない。

でも、そこはドニーさん主演だからしっかりカンフー・アクションもある。このアクションとミステリーのトーンの食い合わせがとても悪い笑
それと、金城武のドニーさんが暴力の修羅であるって見立てていく推理に、北斗の拳ばりのツボ理論(ここのツボを突いて〇〇の神経を切断して~みたいな)を根拠にしたりかなりトリッキー。しかも親切なことに体内で神経が切断されるとこをちゃんと映像化するシーンが出てくる笑
針灸のステイタスが日本より高いのか、"針であるツボを刺すことで性格を変えて人畜無害なふりをしてる"みたいな斬新な推理に強い確信を持ったり、画的にどうってことはないんだけど地味にビックリするセリフや展開が頻発する。

つまり、バランスが悪く掴み所がない変な映画なんだよ。
ミステリーとしてもカンフーとしても異色作と言っていいと思う。
おれはこのヘンテコリンなバランスと読めない展開にハマり楽しめたけど、どっちつかずの駄作としか感じられない人もいると思う。

あと、ドニーさんアクションしないと穏やかなロバみたいな顔で本当に平凡な人にしか見えないんだよな。だから、人畜無害なおじさんにしか見えなくて、過去が血みどろって感じがしないのがよかった。
ヒストリー・オブ・バイオレンスのヴィゴ・モーテンセンはアクの強い顔相だから普通の人畜無害なおっさんて設定に無理があって昔悪党でしたって過去の意外性が弱くなってたんだよね。
つまりハナやアクのなさすら映画のプラス要因にしてしまうドニーさんはすげぇってことです😁💨

カラ・ワイにジミー・ウォングという、往年のカンフー・スターが出てたから何となく好意的な評価になったのかも😬?
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