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破戒のmakoのレビュー・感想・評価

破戒(1962年製作の映画)
4.6
没後50年特別企画「市川雷蔵祭」で上映。初鑑賞。モノクロ。
原作は島崎藤村の同名小説。原作未読。
脚本は和田夏十。市川崑監督の奥様。

信州飯山の小学校教員・瀬川丑松(市川雷蔵)は父の死に際して、被差別部落出身の素性を誰にも明かさないと誓う。部落民開放運動家の猪子蓮太郎(三國連太郎)を敬う丑松は、彼から君も一生卑怯者で通す気かと問いつめられても、ひたすらに身分を隠す。だが、丑松が部落民であるという噂がどこからか流れてきた……

部落差別を描いた内容でした。
今ではあまり聞き慣れない部落差別という言葉ですが、私が小学校の頃は同和教育として部落差別のことを習いました。
部落差別のせいで就職や結婚に支障があることを知りました。
でもいまいちピンとこなくて。そもそも実家は他所から越してきたので住んでいる市に部落差別があるか知らなかったから。

本作では小学校教員の丑松が被差別部落出身という素性を隠して勤務しています。部落出身ということが分かれば迫害されます。その様子が観ていて辛かった。同じ人間なのに部落出身というだけで差別の対象にされる。
これは現代にも通じると思いました。
人種差別や偏見、今まさにBlack Lives Matterも起こってますしね。

部落出身者の青年教師の苦悩や生き辛さが見事に描かれていました。
終盤、生徒たちに告白するシーンに涙が出ました。見送られるシーンもグッときました。
観ごたえがあり考えさせられました。

豪華な出演者、そして皆さん若い!
三國連太郎、長門裕之、岸田今日子、船越英二(船越英一郎さんのパパ)、中村鴈治郎(中村玉緒さんのパパ)、藤村志保(本作がデビュー作で役名から芸名にしたそうです)、加藤嘉、杉村春子、浦辺粂子。
中村鴈治郎さんは『炎上』と少し役が似てました。女好きな住職役。でも女好き以外はいい住職でした。
三國連太郎さんの若い頃を初めて観ました😊藤村志保さんが可愛いかった✨
役名がお志保でしたが、私には、おしおちゃんと聞こえました😅

これで市川雷蔵祭は終了。
全11作品上映され10作鑑賞できました。観逃したのは『弁天小僧』。
普通なら観ないような作品ばかりだったので観れてよかったです♪
10作品中でベスト1は『破戒』でした。
お薦めします。
市川雷蔵さんの魅力にハマりました😆
素敵でした✨


1階席 4人+?、2階席 1人
劇場鑑賞 #79
2020 #140
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