らんらん

家庭日記のらんらんのレビュー・感想・評価

家庭日記(1938年製作の映画)
3.5
佐分利信と上原謙は幼い頃からの親友
事の起こりは2人が学生の頃、佐分利信は三宅邦子と将来を約束をした仲だったが家庭の経済事情により別れを決断
一方ぼんぼん育ちの上原謙は評判のよろしくないビッチ風な桑野通子と別れられない
親の許しが得られないので佐分利の説得も虚しく2人は大連へと駆け落ちする

時は流れ佐分利信は良家のお嬢さん高杉早苗に婿入り、それなりの生活をしている
そんな時上原謙が大連から東京へと帰ってくるという便りをもらう

佐分利&高杉、上原&桑野の2組の夫婦、そして昔の恋人三宅邦子も絡んで、それぞれの心は揺れる、、、

っていっても不倫関係なドロドロではない
良かれと思って佐分利信は疎遠になっている上原謙とその両親の仲を取り持とうとするんだけど
実家に訪れるのは上原謙とその息子だけ、奥さん桑野通子のことは機会を見て的な
時も流れたし上原謙もしおらしく父親に謝るし、何と言っても孫可愛さでわだかまりは消えるかに思えたんだけど、、、
なんと孫がその場で病気になっちゃう、当然母親がけしからん!ってなって孫を溺愛する祖父母は孫を手放さない(祖父が医者)、当然子供を置いて上原謙も帰れない

このことを知った桑野通子は激昂!
佐分利&高杉が両親の意向を汲んでハメたに違いない!とわめく
どうせ私は邪魔者よ、私がいなきゃいいんでしょ!追い出されるなら自分から出てってやる!と家出してしまう

一方両親からすると邪魔なビッチ女が消えて、可愛い孫と息子を手元に置けて万々歳
子供恋しさに桑野通子が訪ねてきても、夫と子供を捨てて家出したお前に母親の資格はない!と冷たく追い返す

一応説明しとくとこの両親はそれまで桑野通子に会ったことはない
出自や職業だけでふさわしくないと門前払いw
でも桑野通子が家の嫁、妻、母としてふさわしい人物ならばチャンスはあったんだけど
それを父親から尋ねられた佐分利信は沈黙wイコールそれが答えなんですねー

なんて書くとこの桑野通子はどんだけビッチよ!?って思うかもしれないけど
現在から見るとそんなに悪女なわけではない
お洒落して自由奔放に遊び歩いてタバコをふかす、お世辞にもいい妻いい母には見えないけどただそれだけ
そんな妻を上原謙は愛してるし子供もなついてる

ここらへんのやりとりはなかなか面白い、時代的な考え方とかもあるだろうけど結局は業なのかなと
両親に許してもらえない結婚、親友に祝福されない結婚、それによる因果みたいにも見える

ラストはちょっと強引だと思う、これからすべてが良くなるような希望なんか見えませんがw
あと一番消化不良なのは三宅邦子の件、それでいいのかいと
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