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ALWAYS続・三丁目の夕日のTSのレビュー・感想・評価

ALWAYS続・三丁目の夕日(2007年製作の映画)
4.1
【前作を踏襲した佳作】86点
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監督:山崎貴
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:146分
興行収入:約45億6000万円
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このシリーズは個人的にツボです。前作も今作も、そして次作も素晴らしい、稀に見る三部作でありました(三部作と言えるかわかりませんが)。なんだろう、もう70年代でも80年代でもこの世界で活躍する人たちの日常を描いて欲しいです。それくらい気に入ってるシリーズです。

1950年代の日本。前作で茶川の元を離れてしまったヒロミはストリッパーとして働いていた。一方、茶川の元に残る淳之介を引き戻すべく、川渕が再び茶川家を訪れるのだが。。

こればかりは前作の鑑賞が必須と思われます。前作と比べるとややパワーダウンかもしれませんがそれでも十分佳作。淳之介を養うために芥川賞に奮闘する茶川のエピソードが今作のメインですが、鈴木オートで面倒を見られる美加のエピソードなども魅力的です。
個人的に印象に残ったのが、則文と牛島のシーンです。真相は伏せますが、戦後の人たちはこう思ったのでしょう。友は戦争で死んだのに、自分は幸せになってもいいのかと。現代の我々からするとあまりわからない感覚ですが、高度経済成長期を生きる人たちにはそのような罪悪感があったのでしょう。それに対して放つ牛島の言葉が涙を誘います。戦後の人たちの原動力はこの言葉に全て集約されていると言っても良いです。昨今では、リストラや残業、就職難で自殺をしたりする人が増えてきていて、消極的な社会になりつつあると言わざるを得ないです。それと比べると高度経済成長期の人たちのやる気というのは凄まじい。一概には言えませんが、この当時の人たちのやる気には到底敵わないと感じました。

しかし、川渕のように仕事にしか価値を見出さない人物がいるのも事実。果たしてそうなのか?仕事よりも大切な、古来から大切にされているものがあるはずです。真の幸福について考えるにもこの作品はうってつけであると思われます。

世界観も音楽もツボ。お決まりの最後の夕日も感動的ですし、まさに「日本の映画」と豪語できる佳作であります。
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