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デッドマン・ウォーキングのKotaのレビュー・感想・評価

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)
3.3
“愛の顔が見える。”

若者を惨殺し死刑判決となったマシュー(ショーン・ペン)と、最後の時までマシューのそばで魂を救済することを決めたシスターのヘレン(スーザン・サランドン)。死刑制度という白黒がつけられない制度について中立の目線で考えさせてくれる作品。

“マンチェスター・バイザ・シー”を初めて見た時の印象と似ている。この映画はなにか結論を導きたいわけではなく、“結論が導きだせない”ことを導き出している。この世の沢山の事は立場や考えによって一つの結論にならない事が多い。死刑制度はその最たる例だろう。

スーザン・サランドンはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞、ショーン・ペンはベルリン国際映画祭の男優賞を受賞している。二人の言葉ではなく表情や目で訴えかける演技は必見。“デッドマン・ウォーキング”とは死刑囚が死刑台に移動する際の呼び名。これを観た後でも個人的に死刑制度の白黒はつけられないでいる。
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