ピッツア橋本

ツレがうつになりまして。のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
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※注意、これはレビューというよりは日記です。

結婚5年目。超几帳面だった夫(ツレ)が、仕事のストレスが原因で鬱病になり、それを売れない漫画家の妻が支えることになる日常系ドラマ。

この映画の存在を知りつつ、今日までずっと観るのを躊躇していた。というのも僕自身の"ツレ"同居している妹が現在進行形で鬱病なのだ。
潜伏期間的なものも含めると3年は鬱病している。前職を辞めてもうすぐ一年が経とうとしている。

本作がその解決策になるか、あるいはより辛い現実を突きつけるか、ずっと敬遠としていたが、意を決して鑑賞した。

結果、宮崎あおいちゃんに自分の立ち位置を重ねながらのめり込むようにして観た。
もう面白い云々とかではない、感覚で観た。
すごく関心したし、泣いた。

近年はあまり聞かなくなったが作中で医者が言う
「鬱病なんて風邪みたいなもんですよ」
という常套句はまさにお門違い。妹曰く、トイレや歯磨きなどの日常も重労働らしい。それがほぼ毎日、半年以上続く風邪などあるものか!苦笑

本編のツレ同様、気分や精神とは関係なく腰や背中が痛んだり、食欲も睡眠欲も周期がすごくブレる。毎月やれる事とやれない事のパラグラフの形が別物に変わる。

見た目はどこも怪我ないのに、中身は目まぐるしく、変わるのが鬱病。
骨董品店主の「割れないだけで、価値がある」というのはすごく象徴的。
欠けてたり、ヒビはあってそれが割れる原因にもなれば、踏みとどまって上手く修繕して再利用できるはず。まさに鬱病の人はそんなバランスだと思う。

ツレと妹に共通するのが、自傷癖が無い事と死への強い恐怖心。まあ最もそれを決行する体力が普段から残ってないだけかもしれないが苦笑。
ただこれさえあれば何とか人生立ち直れると信じてる👍

パートナーが鬱病だと気づくまでには、納得するまでには本当に時間が掛かる。というか未だに理解し難い、疑わしいことがいっぱいある笑
鬱はうつる、というのは本当にあると思う。共感し過ぎちゃうと飲み込まれるし、かといって突き放すと悪化する。トップブリーダーにならなければならない笑
宮崎あおいちゃん、あるいは原作者の日記漫画化する、という行為は鬱に対して付かず離れずのベストな手法だと心から思った。
自分は妹の虚言癖や世迷言を、ユーモアある仕事仲間に話して笑ってもらって消化している。
悲劇は最大の喜劇として、身近な皮肉屋達のエサにしてしまおう笑

という、レビューでも何でもない戯言エッセイでした苦笑

以下、余談。
本作は2010年頃の事情。この2020年代には鬱病に対して、脳に電気を流すショック治療というホラー映画のような新たな手法があるらしい。
我が妹は年内それにトライする予定。
「このせいでIQ200越えたらどうしよう。性格変わっちゃうかも」
と訳の分からない妄想を当人はしているが、いっそそれが実現するといい笑

鬱は側から見ていて、どこか夢のような病なのだとも思う。
ピッツア橋本

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