つかれぐま

マッチ工場の少女のつかれぐまのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
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「社会の底辺に属する労働者を主人公に据え、踏みにじられる人間性とその回復を描くことが多い」

Wikipediaにあるアキ・カウリスマキ監督評だ。本作もたしかにそういう映画だが「回復」の描き方がぶっ飛んでいるな。

イリスを取り巻く人々が、やたらと煙草を吸う。そしてイリスが作るマッチは、煙草のために火を灯し役割を終え捨てられる。作中のイリスはマッチであり、煙草との支配・被支配関係が暗示される。クライマックスで、イリスが初めて煙草を吸い始めた時の突き抜けた感じが良かった。