タカシサトウ

甘い生活のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

甘い生活(1959年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

[退廃の限りを尽くす]

 観ている自分も退廃的になっていく感じでなかなか辛かった。
ベラベラ喋って、酔っぱらって、3時間もそれが続くという退廃さ。ちょっと疲れる。
 
 マルチェロ・ルビーニ(マルチェロ・マストロヤンニ)の生真面目な友人一家が心中してしまうのが凄い。 この場面が何度観ても衝撃的だった。

また、ラストのマルチェロらの狂乱ぶりと、海岸に現れた怪物のような腐った魚。よく言われているように、この気持ち悪い魚が マルチェロらの退廃的な今の姿をよくよく表していると思う。

  役者は、大富豪の娘のマッダレーナのアヌーク・エメが本当に美しい。そして、ちょっと女優シルヴィアのアニタ・エグバーグも美しい、トレヴィの泉での場面はとても官能的。

 主人公マルチェロのマルチェロ・マストロヤンニはさすがに美男子だし上手い。マルチェロは、フェデリコ・フェリーニの分身とのことだが、フェリーニは母を早くに亡くし、実際に父親は旅行でいつも家に居なかったとのこと。主人公のマルチェロが頼るべきものがなくてさまよってしまうのも父なる存在が家に居なかったことと関係しているのだろう。(2017.7.29)