健一

冬の華の健一のレビュー・感想・評価

冬の華(1978年製作の映画)
3.7
WOWOWで放送していたので録画して深夜に鑑賞。
『生誕90年 高倉健特集』より。

なんとも古臭〜いタイプの作品。
あっ!40年以上も前の作品か。古臭くて当然だ。
これまで何本か健さんの作品を連続で鑑賞してきましたが、ちょっと今までの作品とは一線を課す作品。
でも決して嫌いではなかったです。「夜叉」よりかは全然良かった。

関東のヤクザの幹部 加納 はトップを裏切り 関西の暴力団に寝返った男を仕留める。
だが その男には幼い娘がいた。
加納 はその子を子分に託して服役。
服役中 加納 は『異国にいる叔父』と偽りその 幼い子 と文通を続け成長を見守る。
15年の時が過ぎ 出所した加納は成長した少女のため 足を洗う事を固く誓うのだが 暴力の世界がそれを許さない・・・

ヤクザな健さんの『あしながおじさん』的な作品。
不器用な男が美しく成長した少女を 正体を明かさず影から優しく見守っている健さんの姿がなんとも愛おしい。
「冬の華」とは少女のことなのか、
それとも・・・
なんともステキなタイトルだ。
親分 子分から慕われ 口数少なく無愛想だが 少女の成長と幸せだけを日々の糧にして生きているヤクザな男。まさに健さんの十八番。
一番 脂が乗っていた頃なのかな、哀愁たっぷりです。

脇を固めるキャスト達も 昔TV📺で見ていた懐かしい人たちが多勢出てきて嬉しくなってしまう。
「男女7人」の池上季実子。
「みなさんのおかげです」のファンファン大佐。
「池中玄太80キロ」の三浦洋一。
いやぁ〜!若い&懐かし〜い。
一番ツボだったのは子供の頃TVでよく見ていた「わくわく動物ランド」の小林亜星!(笑)
マジ〜〜〜!この人がヤクザ?
ちょっと無理があるんじゃない?
身体が大きい方だったからヤクザと言われれば・・・
とは思うが 顔が優し過ぎて貫禄ないよ!

本作が『異色のヤクザ映画』と言われている所以(ゆえん)の一つにクラシック音楽の多様や ヤクザのボスがシャガールの絵画などを溺愛していて芸術性とヤクザ映画のMIXという あまり類を見ないジャンルに挑んでいるところ。

健さんヤクザ物 としても ひと味違う作品になっていて
いい『お口直し』になった。
健一

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