健一

パスト ライブス/再会の健一のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.9
きっと 誰もが 大人になって・・・・・


あゝ
なぜ人生は巻き戻しが効かないのだろうか。

『過去の生活』 『過去の人生』
『過去の生涯』 『前世』。

「PAST LIVES」には いろんな意味がある。

あなたの「PAST LIVES」は・・・


'23年度のアカデミー賞にて 作品賞、脚本賞にノミネートされた本作。
きっとアカデミー賞に引っかかってなかったら劇場公開されなかったであろう無名キャスト達による超低予算作品。
半年前から『見たい』と願っていたのでこのノミネート&劇場公開はなんとも嬉しい限り。


さて本作。 ネタバレあり。


かなり期待して劇場に足を運んだが、その期待を大きく超えてきた!
まだ4月だが、恐らく私の本年度のベストムービーになるかも?

『淡い恋心』『突然の別れ』『意外な再会』
『過去の後悔』『結ばれぬ二人』
映画的要素がいっぱい詰まった新たな愛の名作の誕生‼️
結ばれることがなくても ふたりの小指に絡んでいる『運命の赤い糸』は決して切れることはないのです。🥹

アジア映画に精通しているシネフィルの方ならチェリー・チャンとチョウ・ユンファが共演したニューヨークを舞台にした1987年制作ののラブストーリー「誰かがあなたを愛してる」を思い浮かべる方も多いのでは。
本作もこの作品に匹敵する名作でした。🥹

多かれ少なかれ誰もが経験したことがあるのではないか?
『恋』とまではいかないのだが『好き』だったあの子。
気持ちを伝えることが出来ないまま 別れ、二人とも大人になってしまう。
本作では私の子供の頃の時代では考えられないSNSを駆使して『あの時』好きだった女の子とPC上だが再会してしまうという いかにも現代らしい描き方。
さらに12年後。20年以上の時を経て ふたりはニューヨークで再会する。
『言葉がないよ・・・』
微笑みながらの無言のハグに涙が止まらなかった。🥹

ニューヨークの街並みを散歩しながら二人は20年分の空間を埋め合う。
だが彼女はすでにアメリカ人の男性と結婚している。
彼も『略奪愛』をする気はない。
友達以上恋人未満。ハラハラしながらもう二人から目が離せなくなる。

しかし。

本作の素晴らしいところは そこではなく彼女のアメリカ人の夫の『苦悩』や『嫉妬心』をしっかり描いているところだ!
『もしかして 君は 彼と駆け落ちする?』
『僕は 嫌なポジション にいるな。』
『13時間も掛けて韓国から君に会いに来るんだ。会うな なんてとても言えない。』

もしかしたら『その男』に妻を奪われるかもしれない。
この微妙な心理を本作では実に丁寧に描いていて妙に共感が持てるというなんとも不思議な感覚が味わえる。

とは言え・・・

やはり注目したいのは この二人のゆくえ。

ラストは あえて飾り気のないリアリティある最後で、見ていて体の震えが止まらなかった。🥹

主要キャスト3人の飾らない演技も親近感が湧いてとても良かった。
エンドロールで涙を誘う素敵なテーマソングか曲が流れてくれたらもっと最高だったのに・・・

あゝ
小学生の頃 大好きだったけど突然 転校してしまった あの子。
今頃 どうしているかなぁ〜〜。



2024年 4月5日 公開初日 8:00〜
グランドシネマサンシャイン池袋screen 9
💺103席
客入り 私を含め4人。 😞

早朝 & 雨 とはいえ4人とは・・・・・
皆さん。是非とも映画館へ。
素晴らしい作品でしたよ。🙇
健一

健一