健一

バウンティフルへの旅の健一のレビュー・感想・評価

バウンティフルへの旅(1985年製作の映画)
4.2
3ヶ月ぶりの旧作レビュー。
(初見作品の自宅での鑑賞では7ヶ月ぶり)😱
昨年後半から急激に仕事が忙しくなり休日は老体に鞭打って映画館に行くか爆睡。😪
全然自宅で『名作』を観るヒマがなかった。
ここまでは いかん と重い腰を上げて・・・

第58回アカデミー賞
最優秀主演女優賞(ジェラルディン・ペイジ)
受賞。

ずーーーっと前から見たかった作品。
WOWOWで放送してくれたのでよーやく鑑賞。
DVD化もされてないかと思ってた。😅


さて本作。 ネタバレあり。


第二次大戦直後のアメリカ🇺🇸。
ヒューストンで息子夫婦と嫌々暮らしているキャリー。
彼女は故郷バウンティフルに帰郷し 一人で暮らしたいと願っている。
しかしバウンティフルは不況により消滅してしまった田舎町。
駅 も 商店も無い まさに 荒地 のみの元『町』。
それでもキャリーはバウンティフルで骨を埋める覚悟。
彼女の人生最後の『旅』がはじまる。

息子の嫁にいつもいじめられている 故郷を愛する ちょっと 口うるさい おばあちゃんを演じたジェラルディン・ペイジ。
アカデミー主演女優賞受賞も納得のおおらかで包容力がある素晴らしい演技に魅了される。
同じくオスカー主演女優賞受賞作「ドライビング Miss デイジー」が好きな方には是非とも見ていただきたい とても『あったかい』作品。🤭

妻の言いなりで情けない息子、チクチクと姑にイヤミを連発する息子の妻。
そんな同居人から逃げるかのように故郷バウンティフルを目指すキャリーばあちゃん。
道中で心優しい人々に助けられて ついに故郷に辿り着くが・・・
並ぶ廃墟、雑草だらけの畑、崩れ落ちそうな橋。
唯一変わらないのは 川の流れ と青く広がる大空だけ。😞
なんとも『人生の儚さ』を感じさせる作品だった。

生まれ育った場所が町ごと無くなる。
この『喪失感』は計り知れないだろう。
私も2年半前に実家が火事🔥になり『もう生まれ育った町に行く用事が無くなった』のでその悲しみは痛いほどよく分かる。

でも。前に進むしかない。
残り少ない余生でも。

戦後直後のアメリカの事情、故郷を失う失望感、そして『おばあちゃんのロードムービー』と。
様々な要素が詰まった『愛すべき名作』に出会えた幸福感でいっぱい。🤭

道中で出会う若き女性をレベッカ・デモーネイが演じており その美しさに頬が緩む。
キャリーばあちゃんの息子役で「ホームアローン」でケビン少年の父親も演じていた 今は亡きジョン・ハードも『情けない夫 優しい息子』をさりげなく表現していて意外にも 作品の軸 になっている。


『人生最後の旅』が訪れるとしたら・・・
どちらに行きたいですか?

生まれ故郷? 思い出の地?
憧れの国?  先祖のルーツ?

私なら・・・
健一

健一