ninjiro

ズーランダーのninjiroのレビュー・感想・評価

ズーランダー(2001年製作の映画)
3.8
バカが見たい…
飛びッ切りバカな映画が観たい‼︎

ズーランダーNo.2に向けて…
再見・再レビュー。

モデルの世界の頂点を極めた男、
その名はデレク・ズーランダー。
彼はとある陰謀に巻き込まれ、彼が持つその職業特有の特性により、要人暗殺のヒットマンとして利用されようとしていた。
その特性とは…
①鍛え抜かれた身体をもつこと
②身勝手であること
③バカであること
…少し理にかなっている…いや、メチャクチャだ。

ということで、モデル、及びその周辺の人達は基本バカであるという前提の下、無理矢理物語は進んで行く。

男性モデルの頂点を決めるmale model of the yearで新進モデル・ハンセルに3度射止めたタイトルを奪われた傷心のズーランダーを慰めるルームメイトの3人のモデル仲間たち。
気分が滅入った時は…?決まってるだろ!
オレンジ・モカ・フラペチーノだ!
ここからの展開が大好きで、私は何度もこの作品を手に取る。
心優しいバカ達。
君たちはなんて眩しいんだ!

麗しのデヴィッド・ボウイ様がレフェリーを買って出るライバル・ハンセルとのランウェイバトルも、バカが提案したルールにはそもそも穴がありすぎて、やってはみたものの何を競っているのか最早誰にも解らない。
このグダグダの泥試合に終止符を打つボウイ様の英断と鋭い目線に痺れる!

ズーランダーは勿論、ハンセルも、それどころか出てくるキャラクターの殆どが、まともな会話の成立が期待できないレベルの猛烈なバカである。
それ故、ドラマの進行上、ごく稀のシリアスな会話が劇中出てくる際の彼らの上滑り振りがまた凄い。

ヒロインであるマチルダがモデルというものに対する嫌悪の根源である自身のトラウマを打ち明ける際でも、真剣に話すマチルダに対し、彼らは真摯な相槌など打てない。
真剣に聞こうとはする。
しかし残念なことに、彼らは人の身になって話を聞くというスキルを持たないのだ。
それどころか、いつの間にか話がすり替わり、「ご無沙汰」のマチルダを相手にあっという間に乱交パーティーが始まるという無神経さ。

そんな彼らも、どこまでも純粋で優しい心と、友を愛する熱い心を持っている。
ただ少しだけ「人と違う」だけなのだ。
不器用に、不恰好に、でも精一杯自分なりにカッコよく生きようと必死に生きている。

真剣に考えるなんて野暮だ。
無駄な脳や筋肉を弛緩して、
今夜は身も心も楽しいパーティの騒音に任せよう。
ツッコミ役不在のまま、バカな世界はどこまでも疾走を続ける。

あ、ドナルド・トランプ出てたんだ…
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