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ゴジラVSデストロイアのドントのレビュー・感想・評価

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)
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1995年。天然ウランにより体内の炉心が不安定になり、体を真っ赤にさせながらゴジラが香港を急襲。時を同じくして40年前にゴジラに対して使用された脱酸素兵器オキシジュン・デストロイヤーにより異常進化していた古代生物が巨大化、「デストロイア」と名付けられたそれがメルトダウン寸前のゴジラと戦う、90年代ゴジラ最終作。
「ゴジラ死す」の惹句通りに、崩壊寸前の真っ赤な肉体と目を光らせながら進行していくゴジラは滅びの予感をたたえていて美しく、それと戦うはゴジラを殺した兵器の子、血縁者や親類も現れて、ということで54年の初代ゴジラへの愛の敬意がふんだんに盛られた一品ながらどうもこう全体にもっさりというかかったるい。
初ゴジへの目配せもアクセントというよりか映画に重荷を与えているようで、ドラマ部分……いや人間部分の長ったらしさも否めず、それに引きずられるようにバトルの方もどうもキレがない。人物の出し入れが極端に下手である。
爆発(物理)寸前のゴジラの超絶大破壊と、幼体から成体へがそのままパニック物から怪獣モノへと変化するデストロイアのアイデアは大変面白い。ただあの口から発するビームで人体が飛ばされるだけってのは景気が悪くていただけぬ。
とは言えゴジラの滅びと世紀末の末世度が合わさった終盤の描写はやはりグッときてしまうのであった。本編とは関係ないが音声レベルがグッチャグチャで人間の台詞が聞き取れないので音量を上げるとゴジラの鳴き声のでかさでビビる、みたいなことが多発した。このへんも乗れなかった一因かもしれない。
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