まふ

トガニ 幼き瞳の告発のまふのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.0
霧深い田舎の聾学校。ここの校長は地位も名誉も人望もある聖職者。霧は何もかも飲み込んでいた。子供達の瞳に映した真実も。
あまりにも辛いシーンが多く、直視できない所もあったほど。性被害や虐待を受けた経験のある方には今作を観ることを私は勧められない。たぶんフラッシュバックすると思う。それくらい生々しく恐ろしく映像の限界まで描いていた。これが実際にあった事件をベースにしているのだから余計に胸にのしかかって重かった。法廷での二次加害とも言える尋問も含めて。
こういった問題の解決しづらさを深めているのが、密室であることや相手が立場の弱い人間であるということだと改めて痛感した。
現実は残酷で無慈悲で神は救いにもならない。
ただ、唯一の救いは今作がきっかけで法が動いたこと。
今こそ観て欲しい作品だなと思う。
観て良かった。でも、もう観たくない。
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