みい太郎

トガニ 幼き瞳の告発のみい太郎のレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.8
公開直ぐに観にいきました。初めから'障害者児童施設の虐待を取り扱っているのは知っていましたし、R18ですので…性描写やセリフなんかが若い方には観せられ無い内容であろうと予測はしていました。

実際に起こった事件を題材に原作者は敢えてノンフィクションではなく、小説にしたとのコト。事実をより、事実として伝える為にー

なのでコンユ氏演じる主人公は、
架空の人物になるんですが、彼の存在は観ている私であり、貴方なのかもなあ。と思います。どこかの架空の街で起きているけど、本当にあったコトで、彼の立場になったなら、同じ様に迷いなく突き進めるのか?と観る人、1人1人に問われている気がします。


虐待シーンは無意識に、何度も首を横に向けてしまった。シーン展開も積み上げてく感じも、すごく丁寧に描いている。重くなり過ぎる内容に息抜きをする場面やキャラクター設定もきちんと配慮している監督だと思う。

監督は『怒りや責任感を強要するつもりは全くありません。こんなコトが実際に起こったのだと、いう事を知って欲しいだけだ。』と言っている。それが伝わってくる映画だった。

コン・ユ氏の抑え目な演技も良かったし、相変わらず声がキャラクターにとても合っていて心底シビれた(^_^*)

人権センターの女性役のチョン・ユミさんの芝居が凄く魅力的だったし、ヒール役の双子をこなした俳優・チャン・ガンさん。元々声優さんらしく初めて見たが、憎々しい感じと老犬の様な風貌にこの上ない不快感を感じたから、やはり上手いんだと思う(^_^*)この作品がキッカケになり売れっ子映画俳優に。

でもやっぱ1番素晴らしかったのは、三人の子役たち。虐待される役って、観る人によっては「その仕事を大人がさせてるコトが虐待じゃね~かあ。」なんですが…彼らは無知である私(もしくは達ね)に知るコトの大切さを知らせる為に派遣された天才俳優なんだよ(^_^*)と思った。

日本の子役はできない。間違いなく…。だし、日本はさせない。日本人の子役には…そんな気がします。

なんかねずーっと泣くんじゃなくてポイントポイントで泣かされるわ、ドキドキと怖いわ、悔しい様な切ない様な憤りと悲惨な事実で辛い道のりでもこれが隠蔽され続けたので無く、オモテに出てきた安堵感。と癒着が横行する事実や公的機関のたらい回しが現実でも公に明るみにでたサッパリ感。
喜怒哀楽がちゃんと入った映画。

反韓の人からしたら『韓国』で起きたコトと差別の理由になる事実かも知れない。でも、実際に酷似した事件が日本でも起こっているコト。私はこの映画で初めて知った。実際に日本では大きく取り上げられないし、韓国ではこの映画で法律まで変わったらしいけど。
きっと日本では変わらない。悪は世間に大きく知られるコトなく…ずーっと観ながら日本の中で映画をみて、そんな支援運動が起こるかな?起こらないかもしれないな…と思ったら切なくなった。本当は自分の国の子供たちにスポットを当てられない日本は臭いモノには蓋で、長いモノには巻かれろが強いから…そ~んなコトを考えてしまった。

沢山沢山いる韓流俳優の中で彼のファンを選んだコト、何故か(^_^*)誇りに思う。俳優として、人として、彼を好きになって良かったと思う。万人ウケする映像では無いかもしれないですが沢山の人が観れば、一筋のひかりを持てる側で
助けを求められる大人になりたいと思う人が増えれば…こんな事件が少しは減る気がします。

好きなもんで。すみません、長すぎて(^_^*)
みい太郎

みい太郎