おなべ

トガニ 幼き瞳の告発のおなべのネタバレレビュー・内容・結末

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

嘘のようで本当にあった実話に基づいて作られた韓国映画。この映画の公開以後、国民が政治や社会に関心が強い韓国では子供達への同情と職員を糾弾する声が次々と挙がり、〔トガニ法〕という法律が新たに制定された程の社会的影響を与えた作品。「トガニ」とは“坩堝”を意味し、本来は金属などを溶かして加工する際に使用する耐熱容器を指しますが、監督がこの映画のタイトルに選んだのは、閉鎖的空間でドロドロに溶けた高温の液体が入っていく様を表現したかったからだそうです。主演は最近では《新感染》でお馴染み《コン・ユ》。

美術教師である主人公の新たな赴任先は聴覚障がいの子供の為の学校で、そこでは日常的に性的虐待と暴行が組織ぐるみで行われ、学校側と警察がグルになり隠蔽がなされていた。

子供たちの演技が信じられない程巧くて吃驚しました。韓国の人々は何をするにしても努力、目標や夢への執着心が尋常じゃないと聞いたことがあり、子役でこのレベルは相当だと思います。映画からでも日本とはまた違ったお国柄が垣間見えますね。

聴覚障がいを利用して性的虐待を行なっていたという不快な事実にひたすら吐き気を覚える。グルだった警察官にも腹が立つし、裁判所の軽すぎる判決にも納得がいかない。唯一報われたのはメディアで取り上げられて、このような事件から子供たちを守る法律が新しく制定された事。日本でも同様の事件が発生しているので、いち早く厳しい措置と撲滅を願うばかりです。
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