ルチル

トガニ 幼き瞳の告発のルチルのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.5
本当に酷い話。

でも似たようなことは、いつの時代にもどこの国でも起きていることなのだろうとも思う。

救いは、こういった事実が明るみに出て取りざたされること。

よくぞ映画化したと思うし、この映画がきっかけで世論が動き、通称トガニ法が制定され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待の厳罰化と公訴時効を廃止する法律ができ、加害者は再度起訴され実刑判決、学校は廃校になったとのこと。

この映画に反応した韓国の世論と、法律を見直した韓国政府もすごいと思う。

インタビューで、子役の子たちには感情が入らないように動きの演技だけをしてもらったと言っていて、その配慮に安心した。

撮り方も、ホラーっぽく演出されていたけれど、それぞれの立場や不穏さを過剰な演出にならないよう、真摯に撮り進めているのが伝わってきた。

カン先生が、正義感からというよりは、自分の立場や事情を考えなくてはと思いながらも、とっさに鉢を投げつけてしまうシーンがとても良かった。

見るのにちょっと勇気がいるけど、見てよかったと思う。
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