雨丘もびり

ドリームガールズの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

ドリームガールズ(2006年製作の映画)
4.8
ゴスペルの目立ちすぎな独唱パートは「私が抱く神への愛は特別です」という意志のあらわれ。
ゲストで現れたエフィが、並みならぬ愛を誰に向けたのか?
その愛の矛先に気付いたプロデューサ、カーティスの深刻な面持ち。
この映画やッばい!!!すさまじい完成度。
 
新メンバーミシェルが投げキスに留めるのもステキ。うなづくエフィの微笑みがあったかい。
 
エフィのワガママ、ありゃしょうがないよ、かわいそうだよ。
ディーナの方がスタイル良いし皆に好かれるって心底わかってるからこそ、自分は歌で絶対負けない!って思って自意識守ってたんだから。
エフィの圧倒的歌唱力が痛々しい。それでもディーナを中心に据えた方がスタイリッシュで洗練されたユニットになる、という残酷さね。
この映画のポスター参照。有無を言わさない視覚的説得力がハンパない。コンドン監督やるなぁ、エゲツナイ(^^;)。
 
ドラッグに浸り続けるサンダー(エディ=マーフィ)から、意図的に遠ざかる友人たちの優しさ。もし私だったら、みんなが離れて行ったらさすがにヤバイと気付いて止める。でもサンダーは止められない。そこが悲しかった。あぁ、もうこの人は・・・って。
 
自立心、堕落、改心、貪婪、処世術の発芽。
登場人物みんなにドラマがあって、全員魅力的に映える。
すべての映画がこうあって欲しい。Amen.
私にとって、物語のお手本のような一本。
 
・・・・・あんな耳元で絶唱されたらウルサいよな(^^;)と一瞬冷めたのでマイナス0.2w。ミュージカル映画の臭さが残っちゃったのはご愛嬌。