昼行灯

肉弾の昼行灯のレビュー・感想・評価

肉弾(1968年製作の映画)
5.0
あいつは21歳と6ヶ月だった。
上官に豚呼ばわりされていたあいつは、ある日突然、特攻隊員という名の神になる。

この映画は、名ばかりの神となったあいつの、人生最期の休日を描いた青春映画であり、悲惨・凄惨の先にある、空虚という段階に到達した戦争映画でもある。

ひどすぎて笑うしかないという境地。滑稽で空虚。残るものは何もない。ゼロだ。乾いた笑いがこの虚しさを物語る。

敵の攻撃で街が焦土と化した中、あいつは文字通り"ゼロ"になって終わるのだ。

たいしたことはない、本当にたいしたことはない。
昼行灯

昼行灯