昼行灯

東京物語の昼行灯のレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.5
世界で受け入れられる小津の代表作。

お馴染みローアングルの定点構図に、独特の台詞回し。そして笠智衆と原節子。上映時間は長いし、ちっとも面白い話ではない。それでも見入ってしまう不思議。劇的な起伏を描かずに人生を感じさせる、という小津作品のなかではエモーショナルな一本ともいえる。

悪意のある人間は一人も出てこないのに、それぞれの生活のなかでのちょっとした行き違いで生まれる哀しさ。公開から70年経っても変わらない普遍性。

「嫌ねえ、世の中って」
「そう、嫌なことばっかり」
昼行灯

昼行灯