花とみつばち

螢川の花とみつばちのレビュー・感想・評価

螢川(1987年製作の映画)
4.0
宮本輝の「 河 」三部作の一作。
映画化されているのも、ソフト化されているのも知らなかった。すでに廃盤高騰で残念です。
宮本輝の作品は、最近の物以外はすべて読んでいます。勿論この「 螢川 」も。
だが内容はすっかり忘れている。
宮本輝作品は、絶望の中で小さな幸福を見つけ、人を幸福にも不幸にもしながら一生懸命生きる人を描いている。
舞台は、昭和 37 年、春だというのにまだ雪の降る富山。
主演チヨ( 十朱幸代 )、シゲサン( 三國連太郎 )、そして2人の長男タッチャン。
大人達の世界を見つめながら生きる若いタッチャン。
すでに妻がいながら、タッチャンが生まれた為家庭を棄てチヨと添い遂げるシゲサン。
タッチャンの親友ケイスケがあっけなく死んでしまうのも宮本輝作品にはよくある。えっ!何であんな良い子が…と更に悲しくなる。
事業の破産、お金の心配、大人の愛憎、子供達の人間世界をどこか暖かく描かれる宮本輝作品。とても儚くだけど大変良い作品だった。殿山泰司良い演技だった。
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