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ゴジラ対メガロのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)
3.9
『ゴジラ-1.0』は傑作だけど、レビューとかでレジェンダリー版ゴジラを設定がバカでいい加減、子供だまし、単なる怪獣プロレスだと、ディスる人が散見したのでレジェンダリー版が好きなおれはちょっとムカついてるんだよ。と、同時にそういう人達って分かったようにゴジラ論、それも1作目だけにフォーカスして語ってるから、ひょっとしてあまりゴジラを観てないんじゃないかと勘繰ってる。
少なくとも本作観てれば絶対にそんなことは言えないはずなんだ。

人類より前から海底にあるシートピア王国は地上人類が繰り返す核実験の影響で国土を脅かされていた。
怒るシートピアは守護神メガロを地上に送り込み地上人類に宣戦布告する。メガロの破壊力の前になす術のない人類は怪獣島に暮らすゴジラに助けを求める。

本作は『東宝チャンピオン祭り』の一作として製作された完全に子供向け(子供だまし)怪獣映画。

どんだけ子供向け(だまし)かと言うと、先述したように怪獣島なんて都合のいいところにゴジラが居て、何の屈託もなく人類のために戦ってくれる。わざわざ遠路を泳いで来てくれるんだよ。『三大怪獣 地球最大の決戦』の時は「人間は俺達をいじめるから知ったことかよ💢」と毒づいてキングギドラを倒すために共闘を申し出るモスラの懇願を一蹴した時に比べて物分かり良くなったよな笑 完全に人類の味方だよ。
で、この怪獣島にゴジラを呼びに行ったのが本作の主人公の一人である科学者作った電子ロボット🤖ジェット・ジャガー。
このロボットがすごい。鉄人28号みたいな人間の命令で動く設定だったのに、メガロ出現で人類の危機と見るや自らの意思でゴジラを呼びに怪獣島に行く。これについて科学者は「いやぁ、なんか良心カイロ的なもんが働いて自分で動けるようになったのかも」とテキトーな見解を得意気に披露。
さらにシートピアがガイガンも召喚してメガロと組みゴジラがピンチになるや、それまで人間大のサイズだったのに巨大化してゴジラに加勢する!これについても「うん、戦うために巨大化したんだね✨」と説明になってない見解を堂々と披露💨 すごいよね、この設定なんぞくそ食らえとばかりのこのガバガバ過ぎる処理。

そして、メガロ・ガイガン組VSゴジラ・ジェットジャガー🤖のバトルもヤバイ。
背後からメガロを押さえつけたジェットジャガー🤖の合図に呼応したゴジラが滞空時間の長いドロップキックスをかますというタッグ戦のプロレスラーまんまのコンビネーションを見せる。着ぐるみの人間臭い動きも相まって怪獣プロレスどころか完全にプロレスなバトルを展開する笑

要するにさぁ、レジェンダリー版ゴジラはこっちのゴジラを引き継いでるんだよ!だから一作目のシリアスポリティカルなゴジラを引き継いだ-1.0と比べてレジェンダリー版をバカにするのはお門違いも甚だしい。もっと言えば、昭和ゴジラ全体で言えばこっち路線の方が圧倒的に多いわけで笑
ゴジラも最初から今みたいに畏敬を持たれてたわけじゃなく予算も削られ子供向け路線にシフトさせられたから色々なゴジラがあるんだよ。
実は異色作の多いシリーズなんだ。おばさんボイスでしゃべるゴジラも出てくるからな。

そんな異色作の多いゴジラの中でも特に本作が最も異色と言われることが多い。それはジェット・ジャガー🤖の存在感が大きいこと。
出演時間もゴジラより長いし見せ場も多い。怪獣島で変な電子音と身振りでゴジラと対話するシーンなんかはそのキッチュでシュールな雰囲気が異様におもしろく何回観てもそのマヌケなインパクトは薄れない笑
ゴジラシリーズなのにジェット・ジャガー🤖のテーマソングが流れて終るエンディングも強烈。ジェット・ジャガーが映画を乗っ取ってる笑
これ以上にメチャクチャなゴジラ映画はないよ。

でも、このテキトーでメチャクチャなところが何とも愛おしい。時々観たくなるんだよな~。
レジェンダリーはいつかジェット・ジャガー🤖を出してほしい。
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