kotchan

ニューオーリンズ・トライアルのkotchanのレビュー・感想・評価

4.0
"陪審裁判の最大のヤマ場は、重要参考人の尋問でもなければ、ドラマチックな最終弁論でもない。何よりも大切なのは最初の陪審員選びの段階だ、という話を聞いたことがある"

陪審員制度について調べていたらこんな投稿記事を見つけた。
なるほど、今作を観るとそれも納得。
法廷ものと言えば、弁護人と検察官の白熱した論争や駆け引きなどが見どころだが、今作では陪審員選びにかなりの時間を割いている。
陪審コンサルトが最新技術を駆使し、科学的に陪審員候補者たちを分析して慎重に選んでいくところは、陪審員の重要性が強く伝わる場面。

真っ直ぐな正義を貫く弁護士ローアを演じるダスティン・ホフマン、いかにも"悪人"な陪審コンサルト・フィッチを演じるジーン・ハックマン、この2人の貫禄たっぷりの演技に釘付けになる。
陪審員に選ばれたニコラス(ジョン・キューザック)と謎の女マーリー(レイチェル・ワイズ)の真の狙いがなかなか見えてこない先読みし辛いところも良い。
裏工作、不法侵入、脅迫、おまけに放火まで、さすがに盛りすぎではあるけれど、法廷ものはこういう裏側が見逃せないのも間違いない。

原作はジョン・グリシャムの小説『陪審評決』
訴訟相手をタバコ会社から銃器製造会社へ変更して映画化したサスペンス・スリラー。
何回も観ているが忘れた頃ににまた観たくなる。
ジョン・グリシャムの小説を映画化した作品は面白いものが多い。

『評決の時』
『ザ・ファーム 法律事務所』
『ペリカン文書』
『依頼人』
『レインメーカー』

どれも好き(*´∇`*)
kotchan

kotchan