私、ずるいんです。
とっても素敵で、少し切ない。家族の一長一短、人間の温かさ、美しさを描く日本映画の最高傑作（と言われているらしい）。
舞台は1953年。戦争終結から8年後ですね。
今から60年以上経っていますが、テーマは普遍的で、現代にも通ずるものがあります。
子供達と再会するため、東京を訪れる老夫婦。
初めは温かく歓迎されるが、徐々に厄介者扱いされるようになる。子供達はすっかり冷たい人間に変わり果てていたのだ。そんな中で一人、亡くなった次男の嫁だけが老夫婦に優しく接するのだった。
人間誰しも親元を離れます。
次第に親の事を気にしなくなり、厄介者扱いします。
それが自然だし、悪いことばかりじゃないんだろうけど、どうも本作の長男と長女は悪者に見えてしまう。
いつか自分も親元を離れる時が来ると思うけど、厄介者扱いすることなく、仲睦まじい親子でいたい。優しくしよ。大切にしなきゃ。そう思わせてくれる映画です。
1番優しくしてくれた、亡くなった次男の嫁。
手塩にかけて育てた実の子じゃなく、赤の他人。
「家族って何なんだろう」という虚しさと
「家族以上に大切なものがある」という思いが同時に込み上げてくる。
とても素敵な老夫婦。
2人とも穏やかで優しい雰囲気。
自分も結婚したら、こんな夫婦になれるといいな、なんて。
原節子さん、凄くお綺麗で演技もスゴぶる上手い。
そりゃ伝説と呼ばれるわけだ。
古き良き時代。
スマホも無ければテレビも無い。
映画がいつでも家で見られる、今の時代も悪くないけれど、時間が濃密に流れるような、そんな時代が羨ましい。
けどクーラーだけは必須だね。
なんで今このタイミングで、この映画を見たくなったかはわからないけど、一応映画好きを語っているので、そろそろ黒澤映画、小津映画も見なきゃな、と思ってます。
