あっさりゆで卵

狂った一頁のあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

狂った一頁(1926年製作の映画)
3.5
狂っていました。
無声映画という事もあり、なかなか難解で、理解力の低い私には全てを理解することはできず、ただひたすらに悪夢を見続けているようでした。

打ちつける大粒の雨、轟く稲妻、風に揺れる木々、そして踊り狂う女。非現実的な精神病棟の様子は、まさに悪夢。
そこから、虚実入り混じる物語が語られ、何を信じていいのか拠り所のない不安を感じたまま一気にクライマックス。主人公が精神病患者に能面を被せ、そして自らも能面を被り、終わる。
老人が狂気の世界に取り込まれていく様を一時間無音で眺め続けると、こちらまで取り込まれていきそうで恐ろしいです。

怪奇映画であり、芸術的な映画でありました。