ユミコ

愛妻物語のユミコのレビュー・感想・評価

愛妻物語(1951年製作の映画)
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新藤兼人さまの監督デビュー作。
半ば新藤監督の自伝的作品とのこと。ここに描かれる奥さま役が乙羽信子さま。乙羽さまが新藤監督のこの時の奥さまに似ておられたことから、乙羽さまをお選びになったそう。そして乙羽さまもこの役をどうしても演りたかったと…。

新藤さまの最初の奥さまは、どんな逆境の中でも常に彼を励まし、彼の前では笑顔を絶やさなかった。この頃の新藤さまの稼ぎなど無く、仕事がうまく行くことなど無かった。それでも奥さまは彼の脚本家としての才能を信じ続け、そして彼のためだけに生きていた。お金もなく、つらい生活ではあったけれど。それでも2人が羨ましい…と思ったのも束の間…。

新藤さまご自身的な役である主人公を宇野重吉さま、そして新藤さまが師と仰いでいらした溝口健二監督と思われる役を滝沢修さまが演じられた。この滝沢さまの溝口さま役が素敵。
この頃の乙羽さまは、役どころもあるのでしょうが、可憐で、まるで朝顔のような女性だった。劇中、妻のために朝顔を育てられていた新藤さま。そういえば、朝顔柄の浴衣をお召しだった乙羽さま…❤︎ タイトルは「朝顔」でもよかったな…。
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