タキ

ディア・ハンターのタキのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
4.0
微に入り細に入った結婚式のシーンがおそろしく長く、なぜかニックが現地のオジサンに誘われて初めて足を踏み入れたサイゴンの賭場にマイクがいたのかは一切説明がない。ゆったりと時間が流れているかのような長尺のペンシルベニア州クレアトンの街でのシーンと対照的にベトナムのシーンになると急に駆け足になり、心拍数が跳ねがある。
北ベトナム兵にロシアンルーレットを強制されるロシア系移民のアメリカ人というのはちょっとした皮肉か。ベトナム兵をそそのかし銃に弾を3発入れてさせて自分(マイク)が撃ってからニックに渡してお前も撃てとはどんな勝算があってあの所業なのかクレイジーすぎて震えたが、のちに出てくる賭場とは一線を画す強烈な緊迫感だった。
マイクはゲイだというレビューをいくつか見かけてビックリした。セリフを額面通り受け取るとそういう解釈になるのかもしれない。主要キャストの男性6人は共に鹿狩りに行くなどホモソーシャルの典型ではある。しかしスタンが男らしさや強さを誇示するために銃をチラつかせたりホモいじりをし始めるとノッてくるものはおらずみんなあまりいい顔をしない。1978年の作品にしては珍しいような気がする。この作品はブロマンスとみるのが妥当ではないかと思う。
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