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ディア・ハンターのmakoのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
4.2
午前十時の映画祭12で鑑賞。
4Kデジタル修復版。
初鑑賞です。
◎85点

ベトナム戦争で人生を狂わされた男たちの友情と過酷な運命。

【あらすじ】
1960年代末、ペンシルベニア州の田舎町。製鉄所で働くマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)ら6人の仲間たちは、仕事が終われば酒場に集い、休日には鹿狩りを楽しむ、平和な日々を送っていた。やがてベトナム戦争が始まり、志願した3人は、地獄のような戦場で奇跡的に再会を果たす。


183分の上映時間のうち始めの1時間くらいは、マイケルたちの日常や徴兵されたマイケル・ニック・スティーヴンの壮行会とスティーヴンの結婚式が描かれていた。

それがいきなりガラッと変わり、ベトナム戦争の場面に。
少しウトウトしていたから急に場面が変わってびっくりしました。
マイケル・ニック・スティーヴンはベトナムで、奇跡的な再会を果たしたがその後人民軍に捕まってしまう。
そこでの過酷な体験が後に3人の人生を狂わせてしまった。

前半と中盤以降の雰囲気が全然違うので、よりベトナム戦争の悲惨さが伝わりました。

ベトナム戦争で徴兵されなければ、戦争がなければ、平凡な日常ながらも穏やかな日々を過ごしていたかもしれない。
特に、ニックとスティーヴンが気の毒でならない。
ニックは精神をやられ最期は辛かった。スティーヴンは重傷を負い不自由な体になった。

ベトナム戦争で身も心もボロボロになった人達や戦死した人達。その一人一人にもこの様な日常生活があっただろうに、と思うと悲しくなりました。

ロシアンルーレット、すごく怖かったです。

ロバート・デ・ニーロの演技は素晴らしかったですが、ニック役のクリストファー・ウォーケンの演技も素晴らしかったです。
メリル・ストリープは本作が映画デビュー作だそうです。
皆さん若かった✨



【こぼれ話】
マイケル・チミノ監督。本作『ディア・ハンター』は賛否両論を巻き起こしたが、結果アカデミー賞に輝いた。次なる西部劇巨篇『天国の門』(80)は、製作会社倒産という興行的大失敗となり、業界から追放状態になったそうです。


字幕翻訳: 戸田奈津子
観客 10人(私以外は年配の男性だったような)
劇場鑑賞 #115
2022 #128
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