ひさかた

アメリカン・ギャングスターのひさかたのレビュー・感想・評価

4.8
最高でした。
序盤〜中盤に弛れる点と長尺という点を超越さえしてしまえば、最高の終盤が待ってます。右肩上がりに面白くなる映画。

フランクとリッチーという、主演ふたりのキャラクターとその物語がめちゃくちゃ面白かった。終盤はずっと上手い!と唸ってました。渋くてかっこいいんです。大人って感じ。

リッチーが超かっこいいです。とにかく正義感に溢れた男。大金を拾っても素直に警察へ届ける類まれなる真っ直ぐさを持ちつつも、女好きで家庭が上手くいかないという人間らしさも兼ね備えているので、感情移入しやすいのかも。

反対に、麻薬王フランクはかなりぶっ飛んでます。亡くなった師のビジネスを引き継ぎつつも無駄な点はきっちり取り除き、薬物を扱っている点に目を瞑ればビジネスマンとしてかなり賢いです。
と思いきや、白昼堂々煽ってきた人を銃殺するという異常性もある。

ふたりとも、完璧超人でないところが良い。現実離れしすぎず、人間臭い感じ。にしたってフランクはちょっとイカれてますが。

このふたりの共通点は、ゴールこそ真反対だけどしっかりゴールを見据えてそれだけは譲らない、という姿勢を首尾一貫しているところ。とにかくブレない。目的のためにストイックに動き続ける彼らは、序盤〜中盤はほぼ交わりません。だからこそ、そこで飽きちゃうとつまらない映画だな〜で終わってしまう。もったいない…。
終盤が最高です。というか、このふたりの物語がリンクしだしてからがこの作品の本編とも言えます。たっぷりフランクとリッチーの人間性を観客に伝えてから、終盤へと繋がる。このカタルシス、たまりません。

かなり好きでした。
長尺映画でも頑張れるよ!という方向きですが。一見の価値ありです。
ひさかた

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