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夕陽のガンマンのmayaのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.6
もう「最高のウエスタン観たいならこれ!」という一作。ウエスタンはノワールと並んで男の色気が際立つジャンルだけど、「ウエスタンの性癖全部盛り」って感じで違うタイプの男の色気、アイコニックなカット、関係性の湿度が最高値だった。英題も好きだけど邦題も好き。

先に「グッドバッドウィアード」観てたので、「ああっ!!これが本家様!」とテンションがぶち上がりっぱなしだった。
インディオ、そりゃパクチャンイがあんなキャラになるよ...撮り方が完全にオムファタールでびっくり。最初から「彼の撮り方だけやたらエロいのは何なの!?」と思ってたけど、最後までそのテンションは維持されたまま、あれだけ滅茶苦茶に引っ掻き回しておいて部下が最後までついてくる。付いてくるだけじゃなく、正直みんなボスに惚れてるよな?レベルの甘やかしぶり。目開けて寝ちゃったボスの口からタバコをそっと抜いて上着かけてあげますからね...。最後の方の佇まいが完全に姫でびっくりだよ。まさか本家がパクチャンイ5割増しの湿度だったとは...。大事な部下を殺しておいてぴえん顔で許してもらいにかかるの甘やかされすぎなのでは...?
イーストウッドってこんなにかっこかったんですね。存在が輝きすぎてびっくりした。これが最盛期のハリウッドスターか。よくぞチョンウソンを当てたよな、というハンサムぶり。ここまでハンサムを体現するスター、リメイクする側は大変だっただろうけど確かにアジアのイーストウッドはチョンウソンだわ。

一方でアジア人(恐らく中国人)の扱いが、時代性を加味したといえどひどいので、本作を満州に舞台を移して、アジア人キャラクターが活躍しまくるGBWが作られたことにめちゃくちゃエモさを感じる。ありがとう。

とにかく夕陽を背負うラストも、リンゴ撃ちも、広告的な「バシィッときまるカット」がてんこ盛り。GBWがかなりコミック調で「これは韓国アレンジ?」と驚いたけど、原作もなかなかのカートゥーンぷりだった。パキュゥンとかビョォンとか。荒木飛呂彦はこの辺から擬音取ってるな?あと、ターミネーターの「アスタラビスタ、ベイビー」って本作の「アスタラビスタ、アミーゴ」からの引用ですかね?
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