ひでG

波止場のひでGのレビュー・感想・評価

波止場(1954年製作の映画)
3.8
昔見て以来の再見。

主役の二人のこと以外あまり覚えていなかった。

しかし、そこはエリアカザン作品。しかもアカデミー作品賞。骨太な一作。

60年以上前の作品だが、2019年の今もバッチリ共通することが多い。

巨大な組織の中、あるいは強力なリーダーのもと、不正や私利的なことが優先される社会。

この映画では、波止場というごく限られた社会の中で、組合と称して、仕事を仕切るヤクザ集団。

あの波止場では、必要悪だよ、って開き直ることもできるけど、
正義とか真実が歪められる社会。
そこに逆らう人は消される。

同じことが、今のアメリカで、日本でも起こってるんじゃないのかな。

勇気を持って告発している人たちへの攻撃もすごい。

でも、この映画の精神を2019年のアメリカは受け継いでいるんだなって。

この映画の話に戻ろう。
最初に書いた、若い頃見て未だに覚えていた主役二人のこと。

まずはマーロンブランド。
この映画の彼はすごい!
もし、彼が若くして亡くなったら、この映画はもっと語り継がれる作品になっていただろう。

まっすぐじゃないのに、純だし、
強いのに、弱さを秘めている、
そして、男でも感じる色気。

彼が何十年後にゴッドファーザーになるんだなって思うと感慨も深い。

そして、共演のエバーマリンセイント。
僕はガキの頃、彼女が大好きだった。
特に彼女の髪!
→ちょっと髪フェチ(・・;)の僕は彼女のせいだ(・・;)

初恋の人に再会してみたいな、懐かしさ。

ちょっとネタバレ



リー・J・コップの親分は、サイレントマジョリティの波止場の労働者におしつぶされたけど、
2019年の社会では、どうなるんだろうか。
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