ピッツア橋本

波止場のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

波止場(1954年製作の映画)
4.1
"彼は後のゴッドファーザーであった"

若き日のマーロンブランドが演じるテリーがギャングが仕切る波止場で不条理な運命に翻弄されながらも苦闘する青春社会派ヒューマンドラマ。

タイトル通り一応舞台は波止場だけど、モノクロ映像に加え、あまりの閉塞感や喧騒ぶりからその広さや抜ける景色は一切感じられない。

ボクサー崩れで船場で働く若いゴロツキ、というマーロンブランドの役どころが絶妙で、腫れぼったくてタレ目気味に映る彼の瞳がセクシー。
同じエリアカザン監督だからか、エデンの東の時のジェームズディーンのようなカッコ良さがある。

肝心のストーリーも直接的な暴力描写はそこまで無いが、
仲間たちの死因事態はかなりラフでアウトローな世界の話だなと思った。

ただ何か神父が気に入らなかったなあ笑
話を転がす上で必要キャラなのはわかるけど、
手を汚さずに説法とくヤツは一番悪だと思う。

むしろ、アイツが小手先の正義をそそのかさなければ主人公テリーは悲劇を回避できたんじゃないか?
と思ってしまう自分は意地悪なのだろうか苦笑

いずれにせよ、普遍の世間への不条理を問うた良き映画てした。
ピッツア橋本

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