Yukenz

ペパーミント・キャンディーのYukenzのレビュー・感想・評価

3.8
韓国の民主化に関する映画をネット検索したところ、本作が取り上げられていたので鑑賞してみた。

1999年を現在として、時が逆回りしていく。「メメント」と同じ手法だが、初見で状況を正しく把握するのはやや難しいように感じた。コンディションがいい時に鑑賞することをお勧めする。

前に見た作品たちとは趣向が異なるが、主人公の男の生き方をガラリと変えたのは1980年5月の光州事件での出来事が原因だったことが分かる。兵士として事件に立ち会っていた彼が、一生忘れられない強烈な体験をしていた。

徴兵制度で軍に仕えていた事で多くの若者が意図せずデモの鎮圧に駆り出されていたのだろうと思う。
デモを行った市民だけでなく、鎮圧に当たった軍兵も一人の人間として肉体だけでなく精神にも大きな傷を負っていた。その後の人生を大きく歪ませてしまう程に。

光州事件をそちら側の視点から見ていなかったので目から鱗が落ちる思いだった。

どちらにとってもこの事件は韓国では決して忘れられる事はないだろうし、隣国の日本人としても同様の過ちを犯さないよう、しっかりと事態を知っておくべきだろう。
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