ひでG

ペパーミント・キャンディーのひでGのレビュー・感想・評価

4.7
ずっと観たかった作品を配信サービス無料期間の最終日直前に観ることができました

ありがとう!こんな体験を!


大傑作です!
傑作揃いの韓国映画の中でもトップクラスに好き、歴史に残る作品です!

PC画面で観てると、集中を切らして、途中で中座することがあるんだけど、

早寝のこのオジンの私が11時過ぎまで一気に観てしまった!
というか止められないよ
この緊張感、この重厚感、

とにかく内容の深さ、巧妙さに圧倒され続けました!

1人の挫折した男の20年が逆回転で回想していきます。
電車の線路の逆回転で、そのパーツが分かれていきますが、

それらが、
まるで精密機械のように、
それぞれのチャプターで描かれるキーになる小道具や言葉、人物の行動を通して見事に融合しているのです。

しかも、それがわざとらしくではなく、

実に絶妙な位置に配置されている!

映画的に、この上もなく、最高の技術と考察を重ね合わせて作られていると思います

あのシーンのあのものが、

例えばカメラ、例えばカラオケや歌

例えば雨、例えば告白→それも、する告白とさせる告白、

例えば、「人生は美しい」という言葉の残酷さが

というように、物語の細部にわたって何層何層もに張り巡らされています!

言いたいことが次々に浮かんできて、
頭の中がまとまり切れない映画は、
同じ韓国映画の、あの「パラサイト」以来です!

そして、キム・ヨンホが人間性を失っていく中で、唯一、人間らしてかった、
よりどころだったのが、ペパーミントキャンディーなのです。
それを差し出す時に、 
優しかった、
まだ人間だった彼の表情に戻ります!
涙、涙で、私たちはそれを観ていきます

この映画のさらに凄いところは、 
単に彼が人間的に堕ちていくだけの話に終わらず、

それが韓国という国家の恥部、負の歴史ともつながっているところです。

韓国が国家として、踏みにじってきたものと、キム・ヨンホが失ってきたものとが
これまた精巧にリンクされているのです!

これもまた見事!、そして、奥が深い作品になっている所以です。

ラストが若かりし頃の彼、
それは20年後のファーストシーンと同じ

ここでも、鳥肌もののセリフが用意されていますが、
失ってしまったものの重みに、
私たちは打ちのめされます。

エネルギーのいる鑑賞ですが、
絶対的なオススメ作品です!^_^
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