Melko

ソイレント・グリーンのMelkoのレビュー・感想・評価

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)
3.5
“You know when I was a kid, food was food.(オレがガキの頃は、食いもんに味があった)」

「神よ…」
「ロスさん、神とは?どこにいるのです」

原作は読んでないのに、めちゃくちゃ重要な、ソイレントグリーンの秘密を何故か知っちゃった上で鑑賞。
驚き度3%ぐらいでなんとも残念な心境。
これはネタバレ厳禁かもしれない…
3%はその秘密が遂に終盤で明かされる際のビジュアル。あまりに事務的なその画に、逆に薄寒さを感じた分の3%。

これはもしかして原作がそうゆう雰囲気なのだろうか、90分とすごくコンパクトな尺なのに、なんでこんなに間延びしたように感じるのだろう。

主人公である警察官ソーンが、真面目一徹の逆をいくような、略奪/恐喝/暴行など割となんでもありな傍若無人ぶりなのは新鮮。特に略奪に関しては、殺された富豪の部屋から肉や野菜や石鹸など、この時代の贅沢品をごっそりかっぱらってきちゃう、ちゃっかりさん。金持ちが贅沢できる、ということに対して、若干というかもうめちゃくちゃ妬み嫉みを感じる。

ソイレントシリーズって、無知無臭なカロリーメイト?かと思ってたけど、工場で踏んだらパリパリ音がしてたから、プラスチックの板みたいなホントに全然美味しく無さそうな見た目。

時代故の絵作りの限界か、はたまた見る人のハードルを下げるためか、肝心要のソイレントグリーンの秘密のビジュアルがだいぶボカされてるのとか、アクションシーンがグダグダなのとか、不必要に長いソーンとシャールのラブシーンとか、個人的には物語としてのバランスもあまり良くなかったように思う。

若くて美人な女性は部屋に備え付けの「家具」(=愛玩)と呼ばれてることでの終末での女性の扱いや
人が増えすぎての食糧難と識字率の低下、人で溢れかえる街
紙さえも貴重な物資となった世界で、最後に頼れるのは人の記憶力か、文字通りの生き字引的存在「(情報)交換所」の老人たち(これはインターネットがない時代だからできた発想か)
等、これから起こるかもしれない未来として考えると、決して遠すぎない設定で、そこは感心した。

常に蒸し暑いのはヤダ…

この時代ならでは、とにかくものすごい数のエキストラな人海戦術
人口の爆発を、人で体現
今ではきっとできない

2022年は去年
いまリメイクするならどう作るだろうか?
Melko

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