Melko

ドライブ・マイ・カーのMelkoのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「私、あの車が好きです。とても大事にされてるのがわかるので、私も大事に運転したいと思うんです」

「どうにかしてくれ、ああ、やりきれん。僕はもう47だ。仮に60まで生きるとすると、まだ13年ある。長いな、その13年を僕はどう生きれば良いんだ」

んー。これがアカデミー賞国際長編映画賞なのか。。
これはおそらく原作も映画も自分に合わなかったパターン。
ずっとみんながセリフ棒読みなのがずっと気味悪いし、独特の間が楽しめないほど展開がモタモタしてるように感じたし、伝えたいメッセージまでが回りくどすぎる…
故にこの作品で3時間は私には長い。長すぎた。どんなにドライブシーンの間を味わい深く演出したとしても、100分ぐらいでおさめられたのではと思えてならない。

あとこれは個人的な感覚の問題だけど、性描写が露骨にあるのは好きじゃない。冒頭40分ぐらいで畳み掛けるようにそういうシーンがあるけど、しかもその温度が高くてやたら湿っぽく感じる。それを、なんか物語を語り創作しながらやってる。こ、こわい。。どうゆう状況?全然引き込まれないセックスシーン(しかも長い)、無理だった…これPG12でいいの?
この異様な状況についての説明は物語の後半で主人公 家福から語られるけど、、説明されてもあんまりピンと来ず。

高槻のキャラもよく分からない。鉄仮面のような家福と相反する役なら、もっと感情剥き出しにして、ヒールに描かれても良かった気がした。色んな行動に対しての説明が彼の口からハッキリとはされず、結局最後まで真意が分からないのがモヤモヤする。自分の気持ちにブレーキかけれなくて人殺した人に、泣きながら「自分とちゃんと向き合わないと」なんて言われてもなぁ。

ドライバー女子も、終始ドライで言葉と表情が合ってないのが奇妙であり個性でもあり良かったが、終盤ぐらいはもっと感情出しても良かったのでは…と。あんな壮絶な経験したのにあんなに滔々と語れるのかしら。

良いところも悪いところも、その人をそのまま愛する というメッセージは、私は何となく同意できない。だから映画も原作も合わない。最後の最後に家福が搾り出した感情こそが全てだと思うし、それで良いと思う。

あと地味に多言語で繰り広げられる戯曲が見てて疲れる。慣れてないからかも。

ドライブマイカー
のタイトルをきちんと表現しつつ、過去の呪縛から解き放たれて新たな旅立ちを予感させるラストカットだけは良かった。
Melko

Melko