ぴよぴよ

海洋天堂のぴよぴよのレビュー・感想・評価

海洋天堂(2010年製作の映画)
4.0
海洋天堂?くりーむパン八天堂の仲間?などと思いつつ、なかなか観る機会がなかったけど、香港映画マスターxxxxxさんにジェットリー主演と聞いて→(知らんかったんかい?)名作の誉高い今作を▶️

そこにはカンフーマスタージェットリーの姿はどこにも存在しない。自閉症の息子をひとり懸命に育てる優しい父の顔。

小舟に乗った父子の姿から始まる衝撃の冒頭。重い病で余命僅かのワン(ジェットリー)は、残される息子ターフー(ウェンジャン)を受け入れてくれる施設探しに奔走。彼がひとりで生きていけるよう、日常生活の術を教え始める。

施設探しも教育も、なかなかうまくいかない。自由奔放なターフーは、父の余命に思いを巡らす事もなく、ひたすらマイペース。ワンは根気強く教えるしかない。

ジェットリーの慈愛に満ちた眼差し…自分の世界に入ってしまう息子を、なだめ、褒め、見守り、時には叱咤激励し、懸命に尽くす。命尽きるその瞬間まで、努力し続ける彼の姿に涙😓

スピーディーなアクションで世界中を魅了したカンフースターが、この静かで穏やかな父を演じてる姿に魅了される。それは自然でウソがなくて、ジェットリーそのもののように思える。今作に惚れ込んだ彼はノーギャラで出演。

久石譲の音楽も、ウォンカーウァイとのコンビで知られる撮影監督クリストファードイルの映像も美しい。父の化身?亀と戯れるターフーの泳ぐ姿に又涙🐢


もし私が障害を持つ子供を持ったら、彼の様に接する事が出来るだろうか?あんな穏やかな目をして、慈しむ事は出来るだろうか?

私の2人の娘は健康に育ってくれたのに、なんだかんだ文句を言ってしまう出来損ないの母親。

「平凡にして偉大なる全ての父と母へ」のエンドロールが沁みました。
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