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めがねのslowのレビュー・感想・評価

めがね(2007年製作の映画)
5.0
タエコは仕事に追われる日常から逃げるように、ある島を訪れていました。青い水平線。澄んだ空気。自分が生きてきた世界とは似ても似つかない、美しい世界がそこには在りました。そこでタエコは個性的な人々にも出会い、個性的な生き方にも触れ、黄昏れることに身を委ねます。そこにいる人々は皆、黄昏れを得意としていました。その折、死にたくなること。世界に嫌気がさすこと。死なない生き物のこと。二度は死ねないこと。そんなことを聞いたり考えたりもするのです。どれもつまらないことでしょうか。どれもつまらなくなんてないのです。旅はいつか終わるもの。これは命にも終わりはくるという意味なのかもしれません。しかし、旅のおわりは世界の始まりだと、誰かが言っていたことを、思い出していました。タエコは島を去り、手付かずのままだった仕事に取り掛かりました。そして、彼女は島での出来事を懐かしみ『めがね』という楽曲を書き上げるのです。それは、かき氷への、もう一つのお礼でもありました。
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