矢嶋

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣の矢嶋のレビュー・感想・評価

3.7
怪獣は3体とも着ぐるみがよくできていて、本物の動物に近いリアルさがある(それだけに怪獣としてのキャラクターは弱かったかもしれない)。造形以外にもこだわりを感じ、ゲゾラは見るからに大変そうな足の操演が見事。ガニメは口がもぞもぞ動く、カメーバは首が飛び出る等のギミックが魅力的だ。この二体は、人間が入っているとは思えない姿勢をとるのもいい。

怪獣達の正体がいかにもSFといった感じだったのも好きなところ。今となってはこういう設定に驚きはないが、いかにも子供向けに見える本作でそういう設定を入れてくるとは思わなかった。超音波のくだりとか、少ないヒントから弱点を見つけるのもよかった。

気になった点は、日本語堪能な島民に武器やガソリンというあまりの都合の良さ。しかも、彼は最初日本人に反発していたはずなのに、普通に協力的。

一番気になったのはオチで、せっかくそれまでちゃんと調査らしくしていたのにベラベラと正体を喋るのが興醒め。そして、小畑の最後自体は好きなのだが、意思の力で抗えるのもどうかと。小畑はむしろ嫌味な奴だったわけで、そういう役にもあっていない。ガニメとカメーバも、暴走するにしたって都合良く揃って死ぬかと思う。

長所が色々あるだけに、オチが雑だったのがもったいない作品と言える。
矢嶋

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