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わらの犬のxoのレビュー・感想・評価

わらの犬(1971年製作の映画)
3.8
あらすじに「内なる暴力性」「復讐劇」なんて書いてあったりするけど、そんなわかりやすくはない。ストーリーラインは単純明快ながら、詩的な、微妙なニュアンスに満ちている。その味わいが最大の魅力。

登場人物の内面にしても人物同士の関係性にしても複雑。ダスティン・ホフマンにしろスーザン・ジョージにしろその感情はかんたんには言語化しがたい。

終盤、窮地に陥った主人公は武器を手に取るものの、実際のところ、彼が強いのか弱いのかはよくわからない。戦闘はとても泥臭く、キメ画みたいなのはなければ、カタルシスもない。

スーザン・ジョージが見る幾度とないフラッシュバックが印象的で、作品に緊張感をもたらしている。レコード、バグパイプ、ガラスの割れる音、濃霧など、不穏さを作る舞台装置も素晴らしい。
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