ミーハー女子大生

ダ・ヴィンチ・コードのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)
3.2
率直な感想としては、確実な宣伝勝ちだ。
大々的な宣伝方法、ダ・ヴィンチやモナリザなどにまつわる様々なテレビ番組から読み物まで、色々な媒体による宣伝(この作品についての宣伝ではなくとも、意識的には繋がる間接的なものまで)が多々ある中で、否応なく膨らむ期待にこの作品自体は応えられなかった、としか言いようがない。

まず基本ジャンルはサスペンスに属されるんだろうが、そこに展開されるのは、ハラハラドキドキしたものではなく、ただ、歴史の中に隠された事実を紐解いていくだけのもの。
その紐解き方も、描き方によっては面白くなる要素が含まれているんだろうが、この作品ではまったく面白さが感じられなかった。
その要因としてあるのは、謎解きを主人公達がいとも簡単に行ってしまうことがあると言える。
観客が考える暇もなく答えを出しては、その場所へ、そしてまた簡単に謎を解く。
見てる側としてはただ振り回されているだけ。
「ああそうか、そう繋がるのか!」という感情の芽生えがないのは痛い。

そして、敵らしき奴の目的も曖昧だし、二転三転する場面は多少あるものの、そこの説明付けが全く納得できない。
一番きつかったのはストーリーが淡々と早足で進んでくため、それぞれのキャラクターの個性が掴みにくいところにある。
うまい具合に感情移入できないまま、あれやこれやともう終盤。
それで「実はこうでした。」とバラされても「なんじゃそりゃ!」と言うしかない。

ただ、ツッコミ所は多いものの、物語自体が言っている“謎”そのもも正体は面白いと思う。
まったく新しい手法だし、今までの宗教観念が崩される。
しかし、宗教なんてあってないような私たち日本人にそんなことを言われても、理解するのは難しい。

個人的にいただけなかったところは、回想が多すぎること。
まあ、この原作を2時間30分にまとめるためには仕方ないんだろうが、もう少し展開の中で上手く見せて欲しかった。
最後に言えることは、この作品はサスペンスじゃない、ってこと。

ストーリー 3
演出 3
音楽 4
印象 2
独創性 4
関心度 3
総合 3.2