ふぇりな

トイ・ストーリーのふぇりなのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)
4.1
あまりにも有名な作品ですが、実は今まで未見でした。噂通りの名作でした!

事前に知っていた情報は「俺がついてるぜ~♪」の歌と、「無限の彼方へさあ行くぞ!」(余談ですが、このセリフ素晴らしいですね…訳した方天才だと思います)というセリフだけだったので、新鮮に観ることができました。
思っていた以上にキャラクターの数が多かったですが、みんなそれぞれに違った個性や性格、そして魅力を持っており、全員が好きになりました。悪役(?)であるシドですら、もちろん倫理的によくないことはわかりますが、一定のファンがついてカルト的な人気が出そうなすごいセンスを持ってるな…とある意味感心してしまいました…。彼のおもちゃたちが優しいのもまた泣きたくなります…。一番お気に入りのキャラクターは彼の妹であるハンナちゃんだったのですが、この子って2以降も出るんでしょうか…?脇役でしたが、かわいいので出てほしいです。

この作品の最大の魅力は、やはりストーリーだと感じました。徹頭徹尾「他人や自分を受け入れることの難しさと大切さ」が丁寧に描かれていて、とても感動しました。ウッディは、これまで自分が築いてきた地位やアンディとの関係に傷がつけられそう、という不安から、はじめはバズに対して執拗に反発してしまいます。一方、バズはバズで、自分はスペースレンジャーであるということを心の底から信じており、実際はおもちゃであるという事実を受け入れることができません。つまり、2人とも自分にとって不都合な現実を受け入れられず、そのためにトラブルに陥ってしまっていました。これは、おもちゃでも人間でも同じことだと思います。自分が信じたいことを信じてしまうものですし、嫌なことからは目を背けたり、排除したくなったりもしてしまうかもしれません。その感情の動き方がとてもリアルに描かれていたため、最後の感動がより増しました。

細かい描写やセリフにも、伏線や工夫がちりばめられていて、とても練りに練られた映画だと思いました。長さもちょうどよくテンポがいいので、いつでも気軽に観られるし、万人に勧められる作品です!
おもちゃを大切にしたいと思いましたし、ウッディやバズのおもちゃが欲しいなと思える、愛おしい映画でした。
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