ミーハー女子大生

ビッグ・フィッシュのミーハー女子大生のネタバレレビュー・内容・結末

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自分の人生をお伽話のように人々に語り続ける有名な男、エドワード・ブルーム。未来を予見する魔女のこと、若き日の自分が一緒に旅した巨人カールのこと、人を襲う森とその先にある美しい町のこと。そんな彼の話には誰もが楽しい気分になった。

しかしジャーナリストとして活躍する息子のウィルは、自分の結婚式の祝宴でエドワードが巨大魚の話をして注目をさらってから、父親に憤りを抱いている。しかしある日、母親のサンドラから、患っていた父の容態が悪化したとの報告。ウィルは出産間近の妻、ジョセフィーンと共に実家へと向かった。

エドワードは一日のほとんどをベッドで過ごしつつも、相変わらず思い出話を語っている。ジョセフィーンはサンドラとの恋愛話を聞かされ、そのロマンティックな内容に心を打たれた。だがウィルはそれが事実ではなく作り話であることに苛立つ。しかしそんな時、ウィルは、エドワードの話の中に出てきた彼の戦死を告げる電報をサンドラが見つけたことで、お伽話の中に真実が隠されていたことに気づき衝撃を受ける。

間もなくエドワードの様態は急変。人生の最期を迎えようとする父に、枕元でウィルは父の物語を豊かに創作して語って聞かせる。そしてエドワードの葬式には、彼の物語に出てきた人々がたくさん集まってくるのだった。

あらすじはこんな感じです。

いくつもの物語が語りかけてくれる、大切なこと。物語は、現実にはありえない出来事をまじえながら、現実で大切なことを、教えてくれる。

どんなエサにも、ルアーにも引っかからない大きな魚。故に誰もが追い求める、そんな魚に人はなるべきだと。そんなたとえ話で始まる。そして最後まで、父親は語り部として、自分の人生を大きなたとえ話のように描き、妻に、息子に、友人たちに語り聴かせていく。

自分の死に場所を予言でみた男は、何も恐れない。大きなことを目指す人間は、大きなことをやりとげる。近道ばかりを通るだけでなく、たまには遠回りもしてみる。そこには、意外な出逢いを呼ぶかもしれない。変わらない街の、小さな幸せもいいものだが、より満足を求めるなら、新しい世界に踏み出さなければ。愛する人がいるならば、懸命に尽くし、最後までその人との約束を守ること。

人生の大切なエピソードを、面白おかしく話す父。そんな物語を語る彼も実は、平凡で、つまらない人生を送っているかもしれない。

それでも彼は、そんな人生の中から、大切なこと、人生に必要なことを見つけ出し、楽しい物語にのせ、みんなに伝えてくれる。それは、お世話になった人たちに、感謝の気持ちを忘れず、最後まで、みんなのためになりたいと願いから。

その気持ちが、たくさんの人々を勇気付ける。毎日が繰り返しの、くだらない人生だと思い生きる人々に、喜びと希望を与えてくれる。そして彼らが、どれだけ父親に感謝を抱いていることか。

そして息子も、確信を抱くことが出来る。たとえどんな小さな自分の人生だって、誰かに感動を与えられることを。

だから、勇気を持って生きていこう。小さな人生でも、前を向いて歩んでいこう。人生という名の物語を、私たちが紡ぎ出すときがきたのだから...。

ストーリー 4
演出 4
音楽 4
印象 3
独創性 3
関心度 3
総合 3.5