三畳

ビッグ・フィッシュの三畳のレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.5
ティムバートンが亡くなる時にも、ハサミ男や、ナイトメアのジャック達や、チョコレート工場のチャーリーが、アリスが、ダンボが、みんな見送ってくれるんだろう
彼の作り出したキャラ一人残らず!
そしてそれは、現実で言うところのジョニーデップやヘレナボナムカーターの姿をしてるんだろうなって思いました。
パレードみたいな最高の葬式で、人生は映画だったんだ

空想で膨らませた人生の厚みに、作り話の大往生シーンに泣かされてしまったし、からのリアル葬式にファンタジーな魔法が…!

一目惚れした女性の情報を1ヶ月に1つ教えてもらう代わりにタダ働きする話も好き。しかも水仙が好きとか音楽が好きなんて情報ばかりで想像を連ねて、名前や住所に辿り着くまでに3年もかかった!

人生にいろんなことがいっぱい起きてほしい。いろんな面白いことが。空っぽの銀行強盗したいな。

いつも文句言いながら見てるティムバートン作品だけど、これはスーパーいい話だった!
嫌いなら見るなよって思うんだけど、いつも面白そうなんだもん。で、パッケージや見てくればかり賑やかカラフルに巧くて、物語の中身が薄い!ってパターンが多いんだけど、

自分はテリーギリアムに対しても苦手と興味が競っていて、文句言いながら見てたらフィッシャーキングという大好きな作品に当たった前例もあることだし、

昨日は愛するダンボの酷い実写をボロクソにdisってしまったけど、他の人のレビューで「アウトサイダーの悲しみとおかしみを描くことで一貫してるティムバートンにしか撮れない題材だ」っていうので気になって、
アマプラ見てみた結果、こうして本作に会えてよかった!

こんないい話撮れるならこれからも「奇抜さメインで一応ヒューマン風味も少し入れとこ」みたいなのはやめてもらって、
好きなだけアートするか、ちゃんと人間の心と向き合うか、作品ごとに振り切った方がいいんじゃないかって思いました。

でも、真実にこだわるより、奇抜なフィクションで人を楽しませたいんだ、っていうティムバートンさん自身の考えが主人公エドワードを通して聞こえてくるようで、彼の作風に納得できました!
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